EBUS-TBNA針の比較 ProCore VS Vizishot [その比較の意味は?]
針の比較の論文
Expert Rev Med Devices. 2021 Jan 12. doi: 10.1080/17434440.2021.1876560.
Diagnostic yield and safety of the ProCore versus the standard EBUS-TBNA needle in subjects with suspected sarcoidosis
サルコイドーシスを対象に100例をランダムに,Cook medical社EchoTip-ProCore 22GとOlympus社Vizishot 22Gに割付したもの.
有意差示されず.ProCore (36/42, 85.7%) VS Vizishot (31/42, 73.8%), (p=0.18).
ProCoreは感覚的に検体がよく取れるような印象はありますが,凝血槐も一緒に含まれている場合が多いような感じはあります.
この論文の方法や結果解釈はさておき,そもそも同じMethodの中で他社の針を比較する意味は何なのでしょうか?
同社で従来品と進化版を比較するのはなんとなく意味はわかる(改善結果を評価したい).しかし,他社のEBUS-TBNA針同士を比較することにどれくらいの臨床のインパクトがあるのでしょうか.針が劇的に形態を変えたというのであれば,比較してもよいと思いますが,ここでいうProCoreとVizishotの違いは切り欠きの部分です.針の固さもハンドルパートも違う.これを比較しても解釈に困ります.
違うMethodを比較するのはもちろんアリだと思います.しかし同じEBUS-TBNAという行為です.大きく変わらない方法で,その針というデバイスの違いだけ比較するのは,あまりインパクトがありません.そもそもそこまで差が期待できない.その差を検討するのにNがたくさん必要.
他社製品に勝った負けたは,企業にとっては大きな問題でしょうけれども,その違いが患者さんへの利益の差につながるのかというのをもう少し考えて臨床試験を組むべきだといつも自分に言い聞かせています.
他社製品どうしの比較をする臨床試験は,その差は何を意味するのかをふまえて,やるべきかどうかを考えたいですね.
新しい明日へ!